高齢者に最も多い関節疾患と言えば、「変形性膝関節症」
2014年8月に、スイスのバーゼル大学とバーゼル大学病院の研究者たちが、鼻中隔から採取した細胞を膝の関節軟骨へと適応が可能と発表し、関節軟骨の欠損を修復させたと報告しました。
すでにバーゼル大学病院にてこの治療法が行われており、その患者の報告書と共に研究成果が発表されています。
1.直径6㎜の「鼻中隔(鼻軟骨細胞)」を取り出し、軟骨細胞を単離
2.軟骨細胞を増殖→移植用の30×40㎜の組織片に成長させる
3.組織片が数週間で移植サイズに成長→患者の膝軟骨を取り出して置換
今後さらなる研究が進められれば、いずれ日本でもスタンダードとなるかもしれません。
ちなみに以前、「鼻の軟骨が増殖し、新たに軟骨を形成する機能は高齢者でも保たれる」と研究報告されていますので、今後エビデンスや安全性の確立がなされることを期待したいと思います。
<参考>
Marcus Mumme, MD, et al. Nasal chondrocyte-based engineered autologous cartilage tissue for repair of articular cartilage defects: an observational first-in-human trial
THE LANCET. 22 Oct. 2016